[JP] 日本法人から韓国の個人口座へ役員貸付金を送金できる?|海外送金前に確認したい5つのポイント

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日本法人から韓国の個人口座へ役員貸付金を送金する前の確認

「日本で経営している会社から、自分の韓国の銀行口座へお金を送りたい。会社から自分への貸付金として処理すれば問題ないでしょうか?」

韓国へ移住した後の生活資金や住宅資金などを準備するとき、海外法人に資金を持つ経営者なら考えることがあります。

会社の帳簿では「貸付金」と記録し、本人も「自分の会社から自分が借りるだけ」と考えるかもしれません。

しかし、国境を越えて会社のお金を個人口座へ移す場合、確認するのは送金方法だけではありません。

送金前に確認したいのは、大きく次の5つです。

  1. 日本法人側で本当に貸付金として扱えるか
  2. 日本側で利率や税務処理に問題がないか
  3. 韓国の外国為替制度上、自分が居住者か非居住者か
  4. 韓国で海外からの借入として必要な手続きがあるか
  5. 銀行への説明資料と、その後の返済記録を準備できるか

この5つを順番に確認すると、会社側の処理と韓国への送金を混同せずに整理できます。

1. 日本法人側で本当に「役員貸付金」として扱える?

最初に確認するのは、日本から韓国への送金方法ではありません。

日本法人から役員本人への資金移動が、本当に貸付として成立しているかです。

例えば、日本法人の代表者が会社からまとまった資金を借り、そのお金を韓国の本人名義口座へ送金するとします。

会社の帳簿に「役員貸付金」と記載しただけで、貸付として必要な確認がすべて終わるわけではありません。

貸付であるなら、

  • 誰が貸主で誰が借主なのか
  • 貸付金額はいくらか
  • いつ貸したのか
  • 利率をどうするのか
  • 返済期限はいつか
  • どのように返済するのか

など、実際の貸付条件を説明できる状態にしておくことが重要です。

つまり、

「会社の帳簿で貸付金にした」

ことと、

「実態も貸付として説明できる」

ことは分けて考える必要があります。

2. 日本法人から役員への無利息・低利貸付は注意

次に確認するのが、日本側の税務処理です。

日本の国税庁は、会社が役員や使用人へ金銭を貸し付けた場合の利息について税務上の取扱いを示しています。

無利息または通常より低い利率で貸し付けた場合には、一定の場合を除き、適正な利息との差額が給与として課税されることがあります。

一方、会社の平均調達金利など合理的な利率による場合や、一定の例外に該当する場合には取扱いが異なります。

そのため、

「自分が経営する会社だから、無利息で借りても問題ない」

とは単純に判断できません。

日本法人から役員である株主へ貸し付けるのであれば、貸付契約だけでなく、利率と税務上の取扱いも日本側で確認しておく必要があります。

また、米国のAFR(Applicable Federal Rates)のような外国の基準を日本法人へそのまま適用するものでもありません。

日本法人なら、日本の税務ルールを基準に判断します。

3. 韓国ではまず「居住者か非居住者か」を確認する

日本法人側で貸付の準備ができたら、次に韓国側を確認します。

ここでよくある誤解があります。

外国籍であることと、韓国の外国為替制度上の「非居住者」であることは同じではありません。

例えば日本国籍の人でも、韓国での滞在状況などによって外国為替取引上の居住者として扱われる場合があります。

したがって、

「私は日本人だから、日本法人から韓国へ送るお金は非居住者への送金だろう」

と国籍だけで判断することはできません。

最初に確認すべきなのは、自分が韓国の外国為替制度上、

居住者なのか、非居住者なのか

という点です。

この区分によって、その後に確認すべき外国為替手続きが変わる可能性があります。

4. 韓国居住者が日本法人から借りるなら、海外送金だけの問題ではない

もし借主本人が韓国の外国為替制度上の居住者で、日本法人が韓国外の非居住者に該当するなら、取引は単なる会社から個人への海外送金だけではありません。

韓国の居住者が海外の非居住者から資金を借りる取引

として、韓国の外国為替関係法令に基づく手続きを確認する必要があります。

ここで避けたいのが、

「まず韓国へ送金して、銀行から聞かれたら説明しよう」

という進め方です。

送金前に、

  • 韓国での居住者・非居住者区分
  • 貸主である日本法人の情報
  • 貸付金額と通貨
  • 貸付期間
  • 利率
  • 元金と利息の返済方法
  • 必要となる申告や銀行手続き

を整理しておく方が安全です。

日本法人側で正式な貸付契約を作成していても、韓国側の外国為替手続きまで自動的に完了するわけではありません。

日本側の貸付処理と韓国側の海外借入手続きは、別々に確認する必要があります。

5. 銀行への説明資料と返済記録まで準備する

海外からまとまった資金が韓国の個人口座へ入る場合、韓国の銀行から資金の性質や送金目的について確認を求められることがあります。

このとき、

「私が経営している会社のお金です」

という説明だけでは十分でない場合があります。

会社資金と個人資金は別だからです。

会社から本人への貸付であれば、取引の実態を説明できる資料を準備しておくことが重要です。

例えば、

  • 貸付契約書
  • 会社側で貸付を承認したことを示す資料
  • 貸主である日本法人の情報
  • 貸付金額・利率・期間が確認できる資料
  • 資金の送金経路を確認できる記録

などが確認材料になります。

実際に必要となる書類は取引内容や銀行によって異なるため、利用する韓国の銀行へ送金前に確認しておく方がよいでしょう。

送金が終わっても貸付は終わらない

貸付金として韓国へ送ったのであれば、入金された時点で手続きのすべてが終わるわけではありません。

契約で定めた返済や利息処理と実際の資金移動が大きく異なる場合には、貸付としての実態について追加確認が必要になることがあります。

そのため、

  • 契約内容に沿って利息を処理する
  • 元金の返済記録を残す
  • 日本法人側の会計帳簿と実際の資金移動を一致させる
  • 韓国から日本へ返済するときの送金記録を残す

といった継続的な管理も重要です。

「自分の会社のお金だから自由に移せる」は避けたい

オーナー会社では、自分が会社の銀行口座を管理しているため、会社資金と個人資金の境界を意識しにくくなることがあります。

しかし、

会社 → 株主・役員

という資金移動には、その資金移動を説明できる根拠が必要です。

給与なら給与、配当なら配当、貸付なら貸付として、取引の実態と記録を一致させます。

特に日本法人から韓国の個人口座へ送る場合は、

日本法人側の貸付・税務処理

韓国側の外国為替・銀行手続き

の両方が関係します。

送金メモへ「Loan」と記載しただけで、取引全体が正式な貸付として整理されるわけではありません。

日本法人から韓国へ送金する前の最終チェック

送金前には、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

日本法人側
役員への貸付として処理できるか。貸付契約、金額、利率、返済期限、社内承認、会計処理を確認します。

日本の税務
無利息・低利貸付による経済的利益など、日本側で追加の税務問題が生じないか確認します。

韓国での居住者区分
国籍だけで判断せず、外国為替制度上の居住者・非居住者区分を確認します。

韓国の外国為替手続き
韓国居住者が海外法人から借りる取引として、送金前に必要な申告や銀行手続きがないか確認します。

送金後の管理
貸付契約どおりに利息・返済を処理し、日本法人の帳簿と実際の資金移動を一致させます。

まとめ

日本法人から自分の韓国の個人口座へ資金を送る場合、

「自分の会社から自分のお金を移すだけ」

と考えると、重要な確認事項を見落とす可能性があります。

まず日本法人側で、役員への貸付として契約条件、利率、返済方法、税務処理を確認します。

次に韓国側で、外国為替制度上の居住者・非居住者区分を確認し、海外法人からの借入として必要となる手続きや銀行への説明資料を確認します。

送金後も、契約内容と実際の利息・返済・会計記録を一致させることが重要です。

「日本法人側で本当に貸付として成立しているか」と「韓国で海外からの借入として必要な手続きを満たしているか」を分けて確認することが、送金前の最重要ポイントです。


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