[JP] 韓国の銀行口座はいくらから海外申告が必要?|CRSと海外口座申告の基準を解説

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韓国の銀行口座と海外口座申告の基準を確認する海外居住者

「韓国の銀行に定期預金や積立預金を持っています。残高がいくらを超えたら、自分の居住国で海外口座として申告しなければならないのでしょうか?」

海外に住みながら韓国の銀行に預金を持つ人にとって、気になるのはやはり「いくらから申告が必要なのか」という金額です。

しかし、この質問には世界共通の金額では答えられません。

韓国の銀行口座について、すべての国の個人に共通する海外口座申告の基準額はありません。

CRS(Common Reporting Standard)、米国のFBAR、FATCAによるForm 8938は、それぞれ目的も仕組みも異なります。

自分で韓国の銀行口座を申告する必要があるか、いくらから申告対象になるかは、基本的に自分の税務上の居住国のルールを確認する必要があります。

CRSと海外口座の自己申告は何が違う?

ここを分けて考えることが、この問題を理解する第一歩です。

CRS:銀行と税務当局の情報交換

CRS(Common Reporting Standard)は、OECDが策定した金融口座情報の自動的交換に関する国際的な枠組みです。

参加する金融機関は、他の参加国・地域の税務上の居住者が保有する対象口座について必要な情報を確認し、自国の税務当局を通じて国際的な情報交換を行います。

韓国の預金口座も、口座名義人が参加国・地域の税務上の居住者であり、適用条件を満たす場合、この仕組みの対象になることがあります。

個人の海外口座申告:居住国のルール

一方、

「私は韓国の銀行口座を自分で申告しなければならないのか?」

という問題は別です。

国によって、海外銀行口座、海外金融資産、海外で得た利息、またはこれらの複数について申告を求める制度があります。

その基準額は各国の国内法によって決まります。

つまり、すべての個人に共通する「CRSの海外口座申告基準額」が存在するわけではありません。

韓国の銀行がCRSで報告すれば、自分の申告は不要?

そうとは限りません。

この二つを、別々の入口として考えると分かりやすくなります。

公的資料

CRSでは、参加国・地域の金融機関が対象となる金融口座について、口座名義人の税務上の居住地など所定の情報を確認し、報告します。

銀行の預金口座は、CRSで対象となり得る金融口座の一つです。

なお、CRSの説明で見かけることがある25万米ドルという基準は、一定の既存法人等口座に関するもので、個人の銀行口座に共通する一般的な免除額ではありません。

わかりやすく言うと

入口1:韓国の銀行

銀行が税務上の居住地などを確認し、CRSに基づいて対象となる口座情報を報告する場合があります。

入口2:あなた自身

自分の税務上の居住国で、韓国の銀行口座や韓国で得た利息について、自分で申告する必要があるかを確認します。

韓国の銀行がCRSに基づいて情報を扱っていることは、あなた自身の申告義務がなくなることを意味しません。

銀行側のCRS報告と、個人の海外口座申告は別の問題です。

米国のFBARは1万米ドル超が基準

米国には具体的な基準額があるため、CRSとの違いを理解する例として分かりやすい制度です。

FBAR(Report of Foreign Bank and Financial Accounts)は、一般に米国人に該当する人が保有する対象外国金融口座の年間の合計最高残高が1万米ドルを超えた場合に問題となります。

ここで重要なのは**合計(aggregate)**です。

例えば、

  • 韓国の普通預金
  • 韓国の定期預金
  • 別の国の銀行口座
  • その他FBARの対象となる外国金融口座

を持っている場合、1万米ドルの基準を口座ごとに別々に判断するわけではありません。

対象となる外国金融口座を合わせて基準を判定します。

そのため、韓国の定期預金だけでは1万米ドル以下でも、他の対象口座との合計によってFBARの基準を超えることがあります。

FBARとFATCA Form 8938も別の制度

「米国なら1万米ドルだけ覚えておけばいい」というわけでもありません。

FBARとFATCAによるForm 8938は同じ制度ではないからです。

FATCA(Foreign Account Tax Compliance Act)に関連するForm 8938では、個人の場合、申告状況や米国内に住んでいるか海外に住んでいるかによって異なる基準が設けられています。

海外居住者について、IRSが示す基準は次のとおりです。

単身または夫婦別申告

年末時点で20万米ドル超
または
年間のいずれかの時点で30万米ドル超

夫婦合算申告

年末時点で40万米ドル超
または
年間のいずれかの時点で60万米ドル超

FBARより高い金額ですが、二つの制度では対象や申告要件も異なります。

そのため、FBARとForm 8938はそれぞれ確認する必要があります。

「CRS加盟国なら共通の申告基準額がある」は誤解

韓国を含め、多くの国・地域がCRSによる金融口座情報の交換に参加しています。

すると、

「CRSという国際制度があるなら、世界共通で『この金額以下なら個人申告は不要』という基準もあるのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、これはCRSと個人の申告制度を混同した考え方です。

CRSは参加国・地域間で金融口座情報を自動交換するための枠組みです。

個人が海外口座をいくらから申告するかという世界共通の基準額を定める制度ではありません。

米国以外では、韓国の銀行口座をいくらから申告する?

ここで米国の1万米ドルというFBAR基準を、他の国にも当てはめないことが重要です。

カナダ、オーストラリア、英国、シンガポール、ドイツなど、税務上の居住国が異なれば確認すべき国内ルールも異なります。

国によって重要になるのは、

  • 海外口座そのものを申告する必要があるか
  • 海外で得た利息を申告する必要があるか
  • 一定額を超える海外金融資産について別の報告制度があるか
  • 複数の申告義務が同時に適用されるか

といった点です。

したがって、

「韓国の銀行口座はいくらまでなら海外申告しなくていいですか?」

という質問に、世界共通の一つの金額で答えることはできません。

米国のFBARの1万米ドルも、世界共通のCRS基準ではなく、米国の制度上の基準です。

韓国の銀行口座と預金利息は分けて確認する

もう一つ見落としやすい違いがあります。

「韓国の銀行口座を申告する必要があるか」

「韓国の預金から得た利息を申告する必要があるか」

は、必ずしも同じ質問ではありません。

税務上の居住国によっては、海外口座について別の申告基準を超えていなくても、韓国の定期預金や普通預金から得た利息について所得申告上の確認が必要になる場合があります。

逆に、海外口座の報告義務があるからといって、それだけで利息に対する税務上の取扱いまで分かるわけでもありません。

海外居住者は、

口座の報告 → 利息の所得申告 → 海外で納めた税金の取扱い

を分けて確認する必要があります。

韓国で定期預金・積立預金をする前に確認したいこと

韓国の銀行へまとまった資金を預ける予定なら、預金額が大きくなってから調べるより先に確認しておく方が整理しやすくなります。

  1. 自分の税務上の居住国を確認する
    国籍、実際に住んでいる国、税務上の居住国が常に同じとは限りません。
  2. 居住国の海外口座・海外金融資産のルールを確認する
    韓国の銀行口座、海外金融資産、海外で得た利息について、それぞれ何が必要かを確認します。
  3. CRSと自分の申告を分ける
    韓国の銀行が税務情報を確認しているから、自分の申告も終わっているとは考えません。
  4. 複数口座を合算する制度か確認する
    米国FBARのように、複数の対象外国口座を合わせて基準額を判定する制度もあります。
  5. 韓国の銀行資料を保管する
    口座明細、年末残高、必要に応じて最高残高を確認できる資料、支払われた利息の記録などを保管しておくと、後の確認に役立ちます。

税務担当者へ確認したい質問

韓国の銀行へ大きな金額を預ける前なら、単に

「CRSはいくらからですか?」

と聞くより、次のように確認した方が実際の判断につながります。

  • 私の韓国銀行口座は海外口座として申告する必要がありますか。
  • 基準額は一つの口座ですか、それとも海外口座の合計ですか。
  • 韓国の預金利息は年間の税務申告に含める必要がありますか。
  • 海外金融資産について別の報告制度もありますか。
  • 基準額を判定するとき、どの為替レートを使いますか。
  • 韓国の銀行からどの資料を保管しておくべきですか。

まとめ

韓国の銀行口座や定期預金・積立預金について、世界中の個人に共通する海外口座申告の基準額はありません。

CRSは金融機関と税務当局による国際的な金融口座情報交換の仕組みであり、個人の海外口座申告に世界共通の基準額を設定する制度ではありません。

米国ではFBARに1万米ドルの合計基準があり、FATCAによるForm 8938には別の基準があります。しかし、これらは米国の制度であり、その数字を他国の税務上の居住者へそのまま当てはめることはできません。

さらに、海外口座そのものの報告と、韓国の預金から得た利息の所得申告も分けて確認する必要があります。

したがって、韓国の銀行へまとまった資金を預ける前に最初に確認すべきなのは、

「韓国ではいくらまで大丈夫か」ではなく、「自分の税務上の居住国では、韓国の銀行口座とその利息について何を申告する必要があるのか」

という点です。 


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