韓国不動産購入の海外送金|銀行の送金限度額と外為法は同じではない

韓国不動産購入の海外送金と銀行の送金限度額・外国為替手続き
韓国不動産購入で海外送金する前に確認したい銀行限度額と外国為替手続き

韓国でマンションを購入することになったとします。

売買契約はすでに締結し、残金決済日も決まっています。あとは自国の銀行口座から韓国へ購入資金を送るだけです。

ところがオンラインバンキングで送金額を入力すると、

「1日の海外送金限度額を超えています」

と表示されました。

ここで気になるのは、

「限度額を超えるなら、政府や中央銀行の許可が必要なのか?」

という点でしょう。

必ずしもそうではありません。

韓国不動産購入のために大きな金額を海外送金するときは、少なくとも次の三つを分けて考える必要があります。

銀行が設定している1回・1日の送金限度額

送金元の国・地域にある外国為替・資本移動の規制

韓国側で不動産購入資金を受け入れる際の外国為替手続き

特に重要なのは、銀行の送金限度額と、法律上の外国為替規制は同じものではないということです。

海外送金の限度額=法律上の上限ではない

例えば、利用している銀行のオンラインバンキングで1日に送れる金額に上限が設定されているとします。

それだけで、その金額が国の法律で定められた海外送金の上限だとは判断できません。

銀行が不正送金防止やセキュリティ、本人確認などのために独自の取引限度額を設定している場合があるからです。

その場合、通常のオンライン送金では限度額を超えていても、銀行で取引内容を確認したうえで別の送金方法を案内されることがあります。

一方、国によっては海外への資本移動そのものに規制があり、不動産投資という送金目的、年間の送金額、申告や許可などが問題になる場合があります。

つまり、韓国不動産の購入資金を送ろうとして銀行で止まったとき、最初に確認したい質問は、

「これは銀行独自の送金限度額なのか、それとも自国の外国為替法令による制限なのか?」

です。

世界中の購入者に共通する「この金額を超えたら政府の事前許可が必要」という一つの海外送金基準はありません。

日本から韓国へ不動産購入資金を送る場合は?

日本語でこの記事を読んでいる人が、必ず日本居住者とは限りません。

ただし、日本から韓国へ不動産購入資金を送るケースなら、日本の外為法上の報告基準と、銀行が設定する送金限度額を混同しないことが重要です。

日本銀行の案内では、外為法に基づく「支払又は支払の受領に関する報告書」について、原則として1回の支払等が3,000万円相当額以下の場合は報告不要とされています。

しかし、この3,000万円は銀行の1日送金限度額ではありません。

また、

「3,000万円を超える海外送金=政府の事前許可が必要」

という意味でもありません。

外為法上の報告と、銀行の送金上限、さらに取引内容によって関係するその他の規制や手続きは分けて考える必要があります。

大口の韓国不動産購入資金を日本から送る場合も、実際の取引内容と金額を示して利用銀行に必要な手続きを確認することが重要です。

国が変われば海外送金のルールも変わる

ここが今回のテーマで最も重要なところです。

日本語で検索していても、送金元が日本とは限りません。

シンガポールや米国、中国などに居住しながら、日本語で韓国不動産について調べている人もいます。

そして、海外不動産投資に関する外国為替規制は国・地域によって大きく異なります。

英語マスターでは、この違いをインドと中国本土で説明しています。

インドでは、居住者個人の海外送金についてReserve Bank of India(RBI)のLiberalised Remittance Scheme(LRS)という法的な枠組みがあり、一定の許容範囲や手続きの中で海外不動産取得も扱われます。

一方、中国本土では、よく知られている個人の外貨関連の年間枠があるからといって、その金額を海外不動産購入に自由に使えると考えることはできません。

重要なのは、

「いくら両替・送金できるか」

だけではなく、

「海外不動産購入という目的そのものが、その制度で認められているか」

だからです。

この違いがあるため、「韓国不動産を買うときの海外送金限度額はいくら?」という質問だけでは十分な答えにたどり着けません。

銀行から資金の出所を確認されることもある

自国の外国為替制度上、韓国への送金が可能だったとしても、それだけで銀行の確認が終わるとは限りません。

高額な国際送金では、銀行から取引目的や資金の出所について資料を求められることがあります。

韓国の不動産売買契約書は、なぜその金額を韓国へ送るのかを説明する重要な資料になり得ます。

さらに、購入資金をどのように形成したのかを示す資料が必要になることもあります。

例えば、

給与や事業所得から蓄積した預金

別の不動産を売却した代金

株式などの投資資産を売却した資金

相続や贈与で取得した資金

会社から受け取った配当

などです。

ただし、

「韓国不動産を買う海外送金なら、全員が過去3年または5年分の納税資料を提出しなければならない」

という世界共通ルールがあるわけではありません。

必要な資料は、実際の資金源、送金元の国・地域、利用する金融機関の確認手続きによって変わります。

銀行には単に「海外送金できますか」と聞くより、

「韓国の不動産購入でこの金額を送金する場合、取引目的と資金の出所を確認するために何が必要ですか?」

と具体的に確認した方がよいでしょう。

送金を小分けすれば外国為替規制を避けられる?

例えば、銀行のオンライン送金が1回5万ドルまでで、韓国へ40万ドルを送る必要があるとします。

5万ドルが単なる銀行の取引チャネル上の限度額なら、銀行に大口送金の正式な方法を確認すればよいかもしれません。

しかし、問題が国の外国為替規制にある場合は話が違います。

40万ドルを5万ドルずつ複数回に分ければ、もとの取引に適用される法的な規制が自動的になくなるわけではありません。

複数回の送金と、法的に別々の取引であることは同じではないからです。

海外不動産投資そのものについて申告、承認、特定の送金ルートなどが必要なら、支払額を小さく分割しただけでその要件を回避できるとは考えない方がよいでしょう。

韓国へ送金できても、韓国側の手続きは別にある

ここまでが送金元の国の話です。

しかし、自国から適法に資金を出せたからといって、韓国側の手続きまで終わったわけではありません。

韓国には、非居住者による国内不動産取得に関する外国為替上の手続きがあります。

外国籍の非居住者が海外から持ち込んだ、または送金した資金だけで韓国不動産を取得する場合には、原則として不動産取引を証明する書類を添えて外国為替銀行へ取得を申告するという仕組みがあります。

一方、購入代金の一部を韓国内で調達する場合などには、資金調達方法によって手続きが変わる可能性があります。

つまり韓国側でも、

「外国人が韓国の家を買うなら全員同じ手続き」

ではありません。

購入者の居住者・非居住者としての地位、国籍、そして購入資金をどこから調達したのかが重要になります。

海外在住の韓国国籍者なら同じ手続き?

ここも区別する必要があります。

海外に住んでいるという理由だけで、すべての購入者が同じ外国為替手続きを行うわけではありません。

韓国銀行の制度上、外国籍の非居住者韓国籍の非居住者による韓国不動産の取得は、同じ仕組みとして扱われているわけではありません。

したがって、海外に住む二人が同じようにソウルのマンションを購入するとしても、一人が外国籍の非居住者で、もう一人が韓国籍の非居住者なら、韓国側の手続きをそのまま同じものとして考えるべきではありません。

まず購入者自身の法的な地位を確認する必要があります。

送金者と韓国不動産の買主は同じでなければならない?

資金の流れが単純であれば、取引を説明しやすいのは確かです。

しかし、

「送金者名と韓国不動産の買主名は必ず完全一致しなければならない」

という世界共通のルールに単純化することもできません。

例えば、買主本人ではなく、配偶者、親、会社などから資金が送られるケースも考えられます。

その場合は、贈与なのか、貸付なのか、会社からの資金なのか、共有財産なのかによって、税務・外国為替・銀行審査など別の問題が生じる可能性があります。

重要なのは名前だけを見ることではなく、

「この送金は実際に何を意味する資金なのか」

を説明できるようにしておくことです。

韓国不動産の購入資金を海外送金する前に確認する6項目

実際に送金する前は、次の順番で整理すると分かりやすくなります。

1. 銀行の送金限度額なのか

アプリやオンラインバンキングの上限なら、大口国際送金の別の手続きがあるか銀行に確認します。

2. 送金元の国に海外不動産投資の規制があるか

中央銀行、外国為替当局などの公式情報で確認します。

3. 韓国不動産購入という送金目的が認められているか

一般的な海外送金枠があることと、海外不動産投資が許容されていることは同じではありません。

4. 銀行が求める資金証明は何か

売買契約書だけでなく、実際の資金源に対応する資料を確認します。

5. 韓国側ではどの外国為替手続きが必要か

外国籍の非居住者なのか、韓国籍の非居住者なのか、また購入資金を海外から全額送るのかなどによって確認すべき手続きが変わります。

6. これらを残金決済日の前に確認する

韓国の不動産売買契約で決めた残金決済日は、送金元の国の外国為替規制や銀行審査、韓国側の必要手続きをなくしてくれるわけではありません。

よくある三つの誤解

「銀行の1日送金限度額が1,000万円だから、法律上も1,000万円が上限だ」

そうとは限りません。銀行独自の取引限度額かもしれません。

「一度に送れないなら、何回かに分ければ外国為替規制の問題はなくなる」

そうとは限りません。規制が送金1回の金額ではなく、海外不動産投資という元の取引を対象としている可能性があります。

「自国の銀行から送金できたから、手続きは終了した」

韓国側で適用される外国為替・不動産取得手続きは別に確認する必要があります。

まとめ

韓国不動産を購入するために海外から大きな金額を送る場合、世界共通の「1回・1日の海外送金限度額」を探しても答えは出ません。

確認する順番は、

銀行の送金限度額
→ 送金元の国の外国為替規制
→ 資金の出所を示す資料
→ 韓国側の外国為替・不動産取得手続き
→ 売買代金の送金

です。

日本から送る場合でも、外為法上の報告基準を銀行の送金上限や一律の事前許可基準と読み替えないことが重要です。

そして日本以外から送金するなら、その国・地域の外国為替制度を別に確認する必要があります。

韓国の不動産売買契約を結んでから初めて、

「銀行から送れない」

「自国の規制上、この目的では別の手続きが必要だった」

「韓国側でも申告が必要だった」

と分かるのが最も避けたい状況です。

最初に銀行へ確認する質問は、

「海外送金はいくらまでできますか?」

だけではありません。

「今見えている限度額は銀行独自の上限ですか。それとも法令上の制限ですか。韓国不動産購入のためにこの金額を送る場合、どの手続きと資金証明が必要ですか?」

ここまで具体的に確認し、そのうえで韓国側の手続きを合わせて確認する。

それが、韓国不動産購入のための国際送金を準備するときの基本的な順番です。


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