韓国不動産を夫婦の共同名義で買うと贈与税?|海外送金・6億ウォン控除と資金出所

韓国不動産の夫婦共同名義と贈与税・資金出所
韓国不動産を夫婦共同名義で購入する際の贈与税と資金出所

海外で暮らす夫婦が、韓国でマンションを購入するとします。

物件価格は14億ウォン。

登記は夫婦それぞれ50%ずつの共同名義にする予定です。

ところが、実際の購入資金は一方の配偶者が持っている海外預金から全額を送金する。

この場合、夫婦はこう考えるかもしれません。

「夫婦で一緒に買う家なのだから、どちらの口座からお金を出しても同じでは?」

韓国の贈与税では、そう単純には考えません。

重要なのは、

誰の名前で登記するか

だけではなく、

その持分を取得するためのお金を、実際に誰が負担したのか

です。

50:50の共同名義でも、資金負担が50:50とは限らない

例えば、14億ウォンのマンションを夫婦50:50で取得するとします。

夫A:50%
夫B:50%

それぞれ7億ウォン相当の持分を取得します。

ここでAが、自分の資金だけで14億ウォン全額を支払ったとします。

登記だけを見ると、AもBも7億ウォン相当の不動産を取得しています。

しかし実際の資金負担を見ると、Bは自分の資金を使わずに7億ウォン相当の持分を取得した形になります。

この差について、韓国では贈与税の問題が生じる可能性があります。

結婚しているからといって、夫婦のすべての財産が税法上自動的に一つの財布になるわけではありません。

見るべきなのは、

一方の配偶者が、もう一方の配偶者の持分取得を実質的に負担したのか

という点です。

各自の口座から送金すれば贈与にならない?

ここもよくある誤解です。

夫婦が、

「50:50なら、それぞれの口座から7億ウォンずつ韓国へ送れば分かりやすい」

と考えるのは自然です。

実際、各自が本当に自分の資金を使っているなら、資金の流れも整理しやすくなります。

しかし、送金口座を分けただけで贈与問題がなくなるわけではありません。

例えば、Aが自分の7億ウォンをBの海外口座へ移し、その後Bが自分名義の口座から韓国へ7億ウォンを送ったとします。

韓国側だけを見ると、

Aから7億ウォン
Bから7億ウォン

という二つの送金に見えます。

しかし、そのB名義の7億ウォンがもともとAの資金だったのであれば、経済的な資金出所まで変わったわけではありません。

したがって、本当に確認すべきなのは、

「誰の口座から送ったか」

ではなく、

「そのお金は購入前に誰の資金だったのか」

です。

給与、事業所得、長年の貯蓄、株式売却、不動産売却、相続、過去の贈与など、資金がどのように形成されたのかが重要になる場合があります。

夫婦間の6億ウォン贈与控除はいつでも使える?

韓国には配偶者間の贈与について大きな控除があります。

受贈者である配偶者が韓国税法上の居住者に該当する場合、一定の要件のもとで、過去10年間の対象贈与を考慮しながら最大6億ウォンの配偶者贈与財産控除が適用されることがあります。

そのため、海外に住む夫婦が、

「一方がもう一方の7億ウォン分を負担しても、6億ウォンまでは控除されるから大丈夫だろう」

と考えることがあります。

しかし、ここで重要な条件があります。

受贈者である配偶者の韓国税法上の居住者・非居住者の区分です。

非居住者である受贈配偶者には、居住者と同じ配偶者贈与財産控除がそのまま適用されるとは限りません。

したがって、6億ウォンという数字だけを見て共同名義の資金構造を決めるのは避けた方がよいでしょう。

海外に住んでいれば韓国税法上の非居住者?

これも単純ではありません。

「海外に住んでいるから、自分は韓国税法上の非居住者」

と自動的に決めることはできません。

韓国の税務上の居住者判定では、韓国内の住所、滞在期間、家族関係、職業、生活の拠点など複数の事情が関係することがあります。

韓国国籍だから必ず居住者でもなく、外国籍だから必ず非居住者でもありません。

これは国際夫婦にとって特に重要です。

例えば、韓国人配偶者が長年海外で生活しているからといって、国籍だけで韓国税法上の居住者と判断することはできません。

反対に、外国人配偶者も外国籍だけを理由に非居住者と決めることはできません。

6億ウォンの配偶者控除を前提に購入構造を組むのであれば、受贈者の実際の税務上の居住者区分を先に確認する必要があります。

決済前に韓国へ入国すれば6億ウォン控除を使える?

では、

「決済前に韓国へ入国して住所を作り、外国人登録や居住カードを取得すれば居住者になるのでは?」

と考えるかもしれません。

これも一つの書類だけで決まる問題ではありません。

韓国での住所、賃貸借契約、在留資格、居住カード、実際の滞在状況などは居住者判定に関係する事情になり得ます。

しかし、そのうち一つを取得しただけで、自動的に韓国税法上の居住者になるとは限りません。

したがって、

「登記直前に韓国へ入国すれば6億ウォン控除を受けられる」

という前提で購入計画を立てるべきではありません。

重要なのは、実際の税法上の居住者要件を満たしているかを確認することです。

各自が本当に自分の7億ウォンを出すなら?

ここで別の夫婦を考えてみましょう。

同じ14億ウォンのマンションを50:50で購入します。

Aは自分の所得や資産から形成した7億ウォンを支払う。

Bも自分自身が所有していた7億ウォンを支払う。

この場合は、一方の配偶者が他方の持分取得を負担する構造とは根本的に異なります。

資金の流れは、

50%持分 → 50%実際負担

と対応します。

各自の口座から送金することも、この実態を銀行記録上説明しやすくする方法になります。

ただし、ここでも重要なのは、

送金を二つに分けたから安全なのではなく、それぞれが本当に自分の資金を持っていたことを説明できるか

です。

韓国不動産の資金調達計画書では何を見る?

韓国の住宅取引では、取引条件によって住宅取得資金調達・入居計画書、いわゆる資金調達計画書が関係する場合があります。

これを税務とはまったく無関係な書類だと考えない方がよいでしょう。

不動産取引で申告された資金情報は、関係機関に提供され、資金内容の確認に利用される場合があります。

ただし、

「韓国で家を買う外国人夫婦は全員、全国どこでも同じ書類を同じ量だけ提出する」

という意味ではありません。

物件、地域、取引内容、当時の制度によって、資金調達計画書や添付書類の要件は変わる可能性があります。

それでも海外夫婦なら、実際の資金出所を説明できる資料を保管しておく方がよいでしょう。

例えば、

  • 海外銀行の取引明細
  • 所得・税務関係資料
  • 長期間の貯蓄を示す記録
  • 不動産やその他資産の売却資料
  • 相続・贈与関係資料
  • 韓国へ送金した記録

などです。

ここでも、

「海外の税務申告書は必ず3年分提出」

のような全国共通ルールとして考える必要はありません。

証明資料は、説明しようとする実際の資金出所と対応している必要があります。

50:50共同名義を先に決めてから資金を考えない

共同名義そのものには、家族、相続、資産管理などさまざまな理由があります。

問題は、

「とりあえず50:50で登記して、資金は後で合わせよう」

という進め方です。

例えば、一方の配偶者が購入可能な資金の90%を実質的に所有しているのに、夫婦は50:50の共同名義を希望するとします。

50:50登記ができないという意味ではありません。

しかし、

所有持分と実際の資金負担との差をどう説明するのか

を購入前に整理する必要があります。

その差は事情によって、

  • 贈与
  • 実際の夫婦間貸付
  • その他の法的に説明可能な資金関係

として整理することが考えられます。

重要なのは、残代金を支払い、登記を終えた後に初めて説明方法を探すのではなく、持分を決める段階で資金負担も一緒に考えることです。

夫婦間で貸したことにすれば贈与ではない?

一方の配偶者がもう一方の持分取得資金を貸すという方法を考える人もいます。

実際の貸付であれば、贈与とは別の取引です。

しかし、

「金銭消費貸借契約書」と書いた書類を一枚作れば、それだけで貸付になる

わけではありません。

重要になるのは取引の実態です。

例えば、

返済する意思が本当にあるのか。

借りた配偶者に返済能力があるのか。

返済期間や条件に現実性があるのか。

契約に沿って元金や利息が実際に支払われているのか。

といった事情を確認する必要があります。

また、韓国の贈与税制度には、無利息または低利率の金銭貸付による経済的利益を扱う規定もあります。

そのため、

「夫婦間貸付なら必ず4.6%の利息を払えば安全」

という一律の公式に変えるべきではありません。

公証をした契約書が証拠の一つになることはあっても、公証だけで貸付の実態が証明されるわけでもありません。

名称より実態が重要です。

海外夫婦が韓国不動産の共同名義で避けたい3つの誤解

「夫婦だから、共同名義の住宅をどちらが払っても関係ない」

そうとは限りません。

一方が他方の所有持分取得を実質的に負担すれば、贈与税の問題が生じる可能性があります。

「夫婦それぞれの口座から半分ずつ送金すれば贈与ではない」

必ずしもそうではありません。

送金口座が分かれていても、その資金がもともと誰のものだったのかを確認する必要があります。

「夫婦間なら6億ウォンまでは必ず非課税」

そうではありません。

受贈者である配偶者の韓国税法上の居住者区分が重要で、過去10年間の対象贈与を考慮する必要もあります。

共同名義で買う前に確認したい6つの質問

韓国不動産を夫婦共同名義で購入するなら、海外送金をする前に次の6つを確認します。

1. それぞれ何%の持分を取得するのか

各配偶者が取得する持分の経済価値を計算します。

2. 実際に購入代金をいくら負担するのか

最後に送金する口座だけでなく、誰の資金なのかを確認します。

3. それぞれ資金出所を説明できるか

実際の資金形成に対応した資料を保管します。

4. 一方が他方の持分を負担していないか

差額があれば、贈与なのか、実際の貸付なのか、別の資金関係なのかを整理します。

5. 贈与なら受贈配偶者の韓国税法上の居住者区分はどうなるか

6億ウォンの配偶者控除が自動的に適用されるとは考えません。

6. この物件にどの資金調達計画・証明書類が必要か

購入代金を送金する前に、その取引に適用される要件を確認します。

まとめ

韓国不動産を夫婦50:50の共同名義で購入する場合、登記簿だけを見ると非常に単純です。

しかし、税務上は銀行記録と資金出所まで一緒に見る必要があります。

最も分かりやすい比較は、

所有持分 ↔ 実際の資金負担 ↔ 証明できる資金出所

です。

この三つが一致していれば、資金の説明は比較的シンプルになります。

一致しない場合は、なぜ違うのかを購入前に確認します。

その差が贈与なのか、本当の貸付なのか、それ以外の取引なのかによって税務・証明方法が変わる可能性があります。

そして海外に住む国際夫婦なら、

「結婚しているから6億ウォン控除は当然使える」

と考えないことも重要です。

受贈配偶者の韓国税法上の居住者区分を確認する必要があります。

購入前に整理したいのは、

誰の資金か
→ 誰が支払うか
→ 誰が何%の持分を取得するか
→ 贈与または実際の貸付があるか
→ その資金を何で証明するか

です。

海外から大きな購入資金を韓国へ送った後に持分と資金の不一致を説明するより、共同名義を決める段階で所有割合と実際の資金負担を一緒に設計することが重要です。


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