韓国F-5・F-2ビザの収入要件|海外収入や海外資産は認められる?
![]() |
| 韓国F-5・F-2ビザを申請する際の海外収入・海外資産の確認 |
海外で会社を経営し、事業所得を得ている。
自国に賃貸不動産があり、毎年まとまった家賃収入がある。
あるいは海外の銀行口座、株式、不動産など相当額の資産を持っている。
韓国でF-5永住資格やF-2居住資格を検討するとき、こうした人が最初に考えやすいのが、
「海外収入や海外資産も韓国のビザの収入要件に使えるのでは?」
ということです。
自国のTax Return(税務申告書)で十分な所得を証明できるなら、韓国のGNI基準もクリアできそうに見えます。
しかし、ここには大きな誤解があります。
一方で、
「韓国で発生した所得でなければ、海外収入や海外資産はすべて認められない」
と考えるのも正確ではありません。
最初に確認すべきなのは資産額ではなく、どのF-5・F-2資格を申請するのかです。
F-5永住権・F-2ビザに共通の収入要件があるわけではない
まずここを整理する必要があります。
F-5とF-2は、それぞれ一つの資格だけを意味するものではありません。
以前の在留資格、韓国での滞在期間、専門資格、点数、投資、家族関係などによって複数の細分類があり、適用される財政要件も異なります。
ある資格では1人当たり国民総所得(GNI)に連動する所得基準が使われることがあります。
別の資格では所得や資産による生計維持能力が問題になる場合があり、点数制F-2や投資関連資格にはそれぞれ別の基準があります。
そのため、
「F-5なら必ずGNIの2倍」
「F-2はすべて同じ収入基準」
といった理解は避ける必要があります。
重要なのは、
「私は十分なお金を持っているか」
ではなく、
「私が申請するF-5・F-2の細分類では、どの所得や資産を、どの方法で評価するのか」
です。
海外のTax Returnがあれば韓国永住権の収入証明になる?
例えば韓国に住む外国人経営者が、海外法人から毎年まとまった所得を受け取っているとします。
その所得は本国できちんと申告され、税務当局が発行する資料でも確認できます。
そこで、
「海外のTax Returnに十分な所得が載っている。アポスティーユを取ればF-5の収入要件を証明できるだろう」
と考えるかもしれません。
しかし、そこまで自動的にはつながりません。
海外の税務資料は、外国で一定の所得が申告された事実を証明する資料にはなり得ます。
それだけで、その全額が特定のF-5・F-2資格の財政要件に自動的に算入されることが保証されるわけではありません。
先に確認するのは、
- 申請する正確なF-5・F-2の細分類
- その資格に適用される財政基準
- 算入できる所得の種類
- 誰の所得まで含められるか
- 対象となる計算期間
- 出入国当局が認める証明資料
です。
アポスティーユは書類の真正性を確認するための手続きであり、その所得をビザの収入要件に算入できる所得へ変える制度ではありません。
「海外収入は韓国ビザでは認められない」も言い過ぎ
では反対に、
「韓国の国税庁が発行する所得金額証明に載っていない海外収入は全部ダメ」
なのでしょうか。
これも、すべてのF-5・F-2資格に共通するルールとして扱うことはできません。
海外事業の所得、外国法人から受け取る所得、海外不動産の賃貸所得、海外金融所得、外国から受け取る年金などについては、申請する具体的な在留資格と、その資格で認められる財政証明の範囲を確認する必要があります。
したがって検索するときも、
「韓国は海外所得を認める?」
だけでは不十分です。
本当に確認したいのは、
「私が申請するF-5またはF-2のこの細分類では、この種類の海外所得を算入できるのか。できる場合は何で証明するのか」
という点です。
韓国で税務申告した海外所得なら必ずF-5に算入される?
ここでも税務と出入国審査を分けて考えます。
海外所得について、
「韓国で税務申告すれば、出入国もその金額を100%収入として認める」
と考えるのは早計です。
韓国の税法は、誰が韓国の税務上の居住者になるのか、どの所得を韓国で申告・納税するのかを判断します。
一方、出入国制度は、その人が特定のF-5・F-2資格の財政要件を満たしているかを判断します。
韓国の公式税務資料が重要な証拠になる場合はあります。
しかし、韓国で課税対象として申告したという事実だけで、すべてのF-5・F-2資格にその所得全額を算入しなければならないという共通ルールになるわけではありません。
韓国の「183日ルール」だけで判断しない
海外所得がある人は、税務上の居住者についても注意が必要です。
よく見かけるのが、
「韓国に183日以上滞在すれば、自動的に韓国の税務上の居住者になる」
という説明です。
韓国の所得税法では、韓国に住所があることや183日以上の居所を有することなどが居住者の定義に関係します。
しかし実際の税務上の居住者判定を、単純な滞在日数だけに縮めるべきではありません。
生活関係、職業、家族その他の事情も関係する可能性があります。
したがって、
海外所得を韓国税法上どう扱うか
と
F-5・F-2審査でその所得をどう評価するか
は別々に確認する必要があります。
韓国永住権の収入要件に海外資産も使える?
海外所得だけでなく、海外資産でも同じ誤解が起こります。
海外に、
- 不動産
- 銀行預金
- 株式・証券
- 非上場会社の持分
- その他の資産
を保有している人もいるでしょう。
しかし、海外不動産の評価額や銀行残高をウォンに換算して、その金額をそのままF-5・F-2の資産要件へ入れられるとは限りません。
反対に、
「海外にある資産だから一切関係ない」
とも一律には言えません。
まず、そのF-5・F-2資格で資産を利用した生計維持能力の評価が認められているのか、どの資産と証明方法が対象なのかを確認します。
海外不動産なら、
所有を証明する資料と、価値を証明する資料は同じではありません。
登記資料は所有者を示し、評価資料は価格の根拠となり、住宅ローンなどの債務資料は純資産価値に影響します。
それらを揃えて海外不動産の純資産額を計算できたとしても、その金額が申請するF-5・F-2資格の財政基準に算入されるかは別の問題です。
海外資産を韓国へ送金して6か月保有すれば認められる?
これも一般化しない方がよい情報です。
韓国には、一定額の投資、国内での投資方法、保有期間などを定めた特定の投資関連在留制度があります。
しかし、その制度の条件をすべてのF-5・F-2申請へ広げることはできません。
「海外資産を売却して韓国へ送金し、6か月保有すれば、どのF-5・F-2でも資産として認められる」
という共通ルールが確認されているわけではありません。
固定された投資額や保有期間を見つけた場合は、
「これは私が申請する資格の基準なのか、それとも別の投資移民制度の条件なのか」
を先に確認する必要があります。
海外収入と韓国所得を単純に合算してもいい?
例えば、
韓国所得が4,000万ウォン、海外事業所得が8,000万ウォンあるとします。
数学的には年間1億2,000万ウォンです。
しかし、
4,000万+8,000万=F-5審査上の所得1億2,000万ウォン
とすぐに判断してはいけません。
まず、そのF-5・F-2の細分類で両方の所得を算入できるのか、それぞれどのような証明資料が必要なのかを確認する必要があります。
家族の所得や資産を利用する場合も、その細分類で認められる範囲を先に確認します。
海外収入・海外資産が多い人ほど、この順番で確認する
韓国のF-5永住資格やF-2居住資格を準備する海外事業者・投資家なら、最初から海外の金融資料を集めるのではなく、次の順番で考えます。
1. 正確なF-5・F-2の細分類を特定する
「F-5を取りたい」だけで終わらせず、どの資格に該当するのかを確認します。
2. その資格の財政要件を確認する
所得、資産、GNI、点数、投資など、何を基準に審査する資格なのかを確認します。
3. 海外収入・海外資産を算入できるか確認する
給与、事業所得、配当、賃貸所得、年金、預金、証券、不動産などを、その資格の基準と照合します。
4. 認められる証明資料を確認する
海外のTax Return、銀行残高証明、不動産登記、評価書があるというだけで十分とは限りません。
5. 韓国での税務問題は別に確認する
海外所得に韓国での申告義務が生じるかという税務問題と、F-5・F-2の資格要件を混同しません。
6. アポスティーユと韓国語翻訳は最後に確認する
実際に必要な海外書類が決まってから、アポスティーユ、領事確認、韓国語翻訳など必要な手続きを確認します。
まとめ
韓国のF-5永住資格やF-2居住資格を準備する人が海外に大きな所得や資産を持っていても、最初にすることは総資産をウォンへ換算することではありません。
海外のTax Returnを片っ端からアポスティーユすることでもありません。
まず、
正確なF-5・F-2の細分類
→ 財政要件
→ 算入できる所得・資産
→ 認められる証明資料
→ 認証・翻訳
という順番で確認します。
海外の税務申告書、事業所得、銀行預金、不動産評価額は、海外にあるという理由だけで一律に無価値になるわけではありません。
しかし、大きな資産を証明できることと、その金額が韓国のF-5・F-2の財政要件に算入されることも同じではありません。
海外収入はいくらあるかではなく、申請するF-5・F-2資格がその所得や資産をどのように評価するのか。
海外資産家が韓国の永住権・居住ビザを準備するときは、ここから確認するのが出発点です
➡ Next : 韓国不動産の売却代金を海外送金するには?
⬅ Previous : 韓国不動産を買う外国人に署名証明書は必要?
