[JP] 韓国の不動産を売ったお金は海外送金できる?必要書類と手続きの基本

韓国不動産の売却代金を海外口座へ送金する手続き
韓国の不動産売却代金を日本へ送金する手続きを確認する海外居住者

「韓国のマンションを売りました。代金はすでに韓国の銀行口座に入っています。このまま日本の口座へ送れますか。」

海外に住む外国人や在外同胞から、よく聞かれる質問です。

売買契約が終わった。

所有権も買主へ移った。

韓国の口座には売却代金が入金された。

ここまで来ると、多くの人はこう考えます。

「家を売る手続きは終わった。あとは海外送金するだけだろう。」

しかし、韓国では

不動産を売ること
売却代金を海外へ送ること

は別の手続きです。

銀行が確認したいのは、主に次の点です。

  • そのお金はどこから生じたのか
  • 売却に関する税金や債務は整理されているか
  • 海外へ送る金額を資料で説明できるか

つまり、問題になるのは「自分のお金かどうか」だけではありません。

そのお金の流れを、書類で説明できるか。

ここが海外送金の重要なポイントです。


Official Guidance

韓国の外国為替取引規程では、在外同胞や一定の外国人非居住者が、韓国内の不動産を売却して得た資金を、所定の外国為替手続きを通じて海外へ送金できる仕組みを設けています。

送金を取り扱う銀行は、海外送金を実行する前に、資金の出所や売却内容を確認するための資料を審査します。

また、対象となるケースでは、韓国の税務署が不動産売却資金確認書を発行します。

不動産売却資金確認書とは、

韓国の不動産売却によって生じた資金であることを、税務当局が確認した書類

です。


Executive Commentary

韓国が外国人や海外居住者の資金を海外へ持ち出せないようにしている、という意味ではありません。

銀行や税務署が確認したいのは、もっと現実的なことです。

「この資金は、どの不動産を売って得たものですか。」

「税金やローン、賃貸保証金などは整理されていますか。」

そのため、銀行では次のような資料を求められることがあります。

  • 不動産売買契約書
  • 売却代金の入金を確認できる資料
  • 税務関係書類
  • 不動産の取得経緯を確認できる資料
  • パスポートなどの本人確認書類

売却代金が口座に入っているからといって、海外送金が単なる銀行操作になるとは限りません。


「売却代金が入ったら終わり」と思っていた

日本に住む韓国系の家族が、相続したソウルのマンションを売却したとします。

買主から代金が支払われ、韓国の銀行口座には大きな金額が入金されました。

家族は安心し、翌日銀行へ向かいます。

「この金額を東京の口座へ全額送金してください。」

ところが、銀行員は送金処理の前に、さまざまな資料を確認し始めます。

相続した不動産であること。

誰から相続したのか。

売却に関する税金は処理されたのか。

住宅ローンや返還すべき保証金は残っていないか。

家族はここで初めて気づきます。

不動産を売ることと、売ったお金を国外へ移すことは同じ手続きではなかった。

この点は、海外居住者が特に戸惑いやすい部分です。


Official Guidance

海外送金の対象として確認される金額は、売買契約書に記載された売却価格だけで決まるとは限りません。

実際の確認では、次のような項目が考慮される場合があります。

  • 実際の不動産売却代金
  • 不動産に設定されていた債務
  • 入居者へ返還すべき賃貸保証金
  • 売却に関連する税金や公課

そのため、銀行や税務当局は、関連する負担を整理した後に残る金額を確認することがあります。


Executive Commentary

ここにも、よくある誤解があります。

「1億円で売れたのだから、1億円をそのまま海外へ送れるはずだ。」

実務では、必ずしもそうとは限りません。

住宅ローンが残っていた。

入居者へ返すチョンセ保証金があった。

売却に関する税金や費用が発生した。

そのような場合、海外送金の対象として説明できる金額は、売却価格から関連する負担を整理した後の残額になることがあります。

銀行で重要になる質問は、

「いくらで売れましたか。」

だけではありません。

「最終的に、あなたの売却資金として残った金額はいくらですか。」

という点です。


相続した不動産の売却代金も海外へ送れる?

海外在住者からは、次の質問もよく出ます。

「親から相続したマンションを売ったお金も、日本へ送れますか。」

多くの場合、所定の手続きを経て海外送金を検討できます。

相続した不動産だからという理由だけで、送金できなくなるわけではありません。

ただし、本人が購入した不動産よりも、確認する書類が増えることがあります。

例えば、

  • 相続関係を証明する書類
  • 不動産が相続人へ移った経緯を示す資料
  • 相続や売却に関する税務書類
  • 不動産売買契約書
  • 相続人の本人確認書類

などです。

重要なのは、

その不動産をどのように取得し、売却代金がどのように生じたかを説明できること

です。

海外に住みながら書類を準備する場合、取得や認証、代理手続きに時間がかかることがあります。

売却後ではなく、売却準備の段階から銀行へ相談しておくほうが進めやすくなります。


海外送金に上限はある?

「韓国から海外へ送れる金額には、決まった上限がありますか。」

これも多い質問です。

不動産売却代金の海外送金では、一律の上限額だけで判断されるというより、

送金する金額を資料で説明できるかどうか

が重視されます。

高額だから自動的に送金できない、という意味ではありません。

一方で、金額が大きいほど、銀行が資金の出所や税務処理を丁寧に確認する可能性があります。

そのため、

  • 売却代金の流れが分かる
  • 税金や債務が整理されている
  • 銀行が求める資料がそろっている

という状態を作ることが重要です。


用語をやさしく整理すると

外国為替取引規程

韓国と海外の間でお金を送受金するときの手続きや確認基準を定めた規程です。

不動産売却資金確認書

韓国の不動産を売って得た資金であることを、税務署が確認した書類です。海外送金の際に必要となる場合があります。

外国為替取扱銀行

海外送金や外貨取引を取り扱う銀行です。ケースによっては、利用する銀行や窓口を事前に確認する必要があります。

NTS(National Tax Service/韓国国税庁/韓国の国税を扱う行政機関)

韓国の税務申告や税金、確認書類などを扱う機関です。以降は「韓国国税庁」と表記します。

資金の出所

そのお金がどこから生じたかという意味です。不動産売却代金であることを、契約書や税務資料などで説明します。


専門家に相談する前に確認したい質問

  • 私のケースでは、利用する外国為替取扱銀行を事前に決める必要がありますか。
  • 海外送金前に、銀行へどの書類を提出する必要がありますか。
  • 不動産売却に関する税金や債務はすべて整理されていますか。
  • 相続した不動産の場合、追加でどの書類が必要ですか。
  • 売却代金のうち、海外送金の対象として説明できる金額はいくらですか。
  • 送金先口座の名義や口座情報に確認事項はありますか。

この仕組みを理解しておくだけでも、韓国の銀行、税務署、税理士、外国為替の専門家と、より具体的な相談を始めることができます。


Effective Date

Fact-checked: July 2026


Fact-Check Materials Used

  • 韓国外国為替取引規程
  • 韓国国税庁の案内資料
  • 韓国内財産の海外送金に関する公的案内
  • 不動産売却資金確認書に関する資料

Official Sources

  • 韓国銀行
  • 韓国国税庁
  • 国家法令情報センター

Disclaimer

本記事は、韓国政府機関や公的機関が公開している資料に基づく事前理解ガイドです。

法律、税務、投資、外国為替、不動産取引に関する個別の助言ではありません。居住区分、不動産の取得経緯、相続の有無、税務処理、利用する銀行によって必要な手続きや書類は異なる場合があります。売却や海外送金を行う前に、関係機関、利用予定の銀行または専門家へご確認ください。


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