[JP] 外国籍の子どもでも韓国の財産を相続できる?

 

外国籍の子どもによる韓国財産の相続と相続税の相談
海外在住の相続人が韓国の不動産と預金の相続手続きを相談している様子

海外在住の家族が先に知っておきたい韓国の相続税の基本

「娘は今、アメリカ国籍です。それでもソウルのマンションを相続できますか。」

海外で長く暮らす韓国系の家族から、よく聞かれる質問です。

親は韓国を離れて海外で生活するようになり、子どもは現地の国籍を取得した。

一方、韓国には両親名義のマンションや預金が残っている。

普段はそれほど意識していなくても、相続が発生した瞬間、家族は韓国の銀行、登記、税務手続きと向き合うことになります。

そこで最初に浮かぶのが、

「子どもはもう韓国人ではない。韓国の財産を相続できないのでは?」

という不安です。

しかし、外国籍であることだけを理由に、韓国の財産を相続できなくなるわけではありません。

本当に先に確認したいのは、パスポートの国ではなく、

亡くなった方が税務上どこに住んでいたのか。
どの財産が韓国にあるのか。
どの国の税制が関係するのか。

という点です。


Official Guidance

韓国の「相続税および贈与税法」では、韓国の相続税が課される範囲を判断する際、主に亡くなった方の税務上の居住区分と財産の所在地が考慮されます。

相続人がどの国の国籍やパスポートを持っているかだけで、韓国の相続税の有無が決まるわけではありません。

また、海外住所が関係する相続では、韓国内だけで完結する相続と異なる申告期限が適用される場合があります。


Executive Commentary

ここで、海外在住の家族がよくする誤解があります。

「子どもが外国籍なら、韓国は相続税を課せないだろう。」

あるいは、

「外国人は韓国の不動産を相続できないのではないか。」

というものです。

どちらも、国籍だけを見た考え方です。

アメリカ国籍でも、カナダ国籍でも、オーストラリア国籍でも、韓国にある不動産や預金などを相続することは可能です。

ただし、相続できることと、税務や名義変更の手続きが不要であることは別の話です。

相続が始まると、次に必要になるのは、

  • 韓国で相続税の申告が必要か
  • 不動産の名義をどう変更するか
  • 銀行預金をどう受け取るか
  • 相続した資金を海外へ送れるか

といった実務の確認です。


「子どもの国籍」より先に確認されること

ロサンゼルスで暮らす韓国系の家族を考えてみましょう。

両親は長年アメリカで生活していましたが、ソウルにマンションを1室残し、韓国の銀行にも預金がありました。

子どもたちはすでにアメリカ国籍です。

父親が亡くなった後、家族はこう考えます。

「相続人が外国人だから、韓国の税金はあまり関係ないかもしれない。」

ところが、韓国の税務を確認する段階で最初に聞かれたのは、子どもの国籍ではありませんでした。

「亡くなった方は、税務上の居住者でしたか。それとも非居住者でしたか。」

ここで、家族が見ていたポイントと、税務上の判断ポイントが違うことに気づきます。

問題は「外国籍の子どもが相続できるか」だけではありません。

亡くなった方の生活の本拠がどこにあったかによって、韓国で対象となる財産の範囲が変わる可能性があるのです。


Official Guidance

韓国の相続税制度では、亡くなった方が税務上の居住者である場合、国外財産を含む財産が韓国の相続税の検討対象になることがあります。

一方、亡くなった方が非居住者である場合、一般的には韓国国内にある財産が韓国の相続税の対象になります。

また、居住者と非居住者では、利用できる相続控除の仕組みが異なる場合があります。


Executive Commentary

この違いは、税額に大きな影響を与える可能性があります。

多くの家族は相続人ばかりを見ます。

「相続する子どもは何国籍か。」

しかし、韓国の相続税を考えるときは、先に亡くなった方の状況を見る必要があります。

ここでいう税務上の居住者とは、単に韓国のパスポートを持っている人という意味ではありません。

生活の本拠や実際の居住状況などから、税務上どこに住んでいたと扱われるかを判断する区分です。

そのため、同じソウルのマンションを、同じ外国籍の子どもが相続する場合でも、亡くなった方の居住区分によって税務上の扱いが異なることがあります。

つまり、

国籍よりも、税務上の居住区分と財産の所在地が重要になる。

これが国際相続を理解する最初のポイントです。


韓国と居住国で税金を二重に払うの?

海外在住の相続人が次に心配するのは、二重課税です。

「韓国で相続税を払った後、今住んでいる国でもまた税金を払うのでしょうか。」

これは国によって答えが異なります。

国によっては、外国で納めた税額を一定範囲で差し引く制度があります。

相続税そのものがない国もあれば、相続人ではなく遺産側に税を課す国もあります。

そのため、

「韓国で払えば、海外では必ず払わなくてよい。」

とも、

「必ず二重に課税される。」

とも一律には言えません。

韓国の相続税だけでなく、相続人が暮らす国の税制も合わせて確認する必要があります。


Official Guidance

国境をまたぐ相続では、韓国の税法だけでなく、相続人の居住国や財産所在地国の税法が同時に関係することがあります。

外国で納付した相続関連税について控除や調整が可能かどうかは、各国の法令や個別事情によって異なります。


Executive Commentary

家族が避けたいのは、「税金が二重になるかもしれない」という不安だけで判断を止めてしまうことです。

先に整理したいのは、

  • 韓国で課税対象になる財産は何か
  • 海外側では誰にどの税が課されるのか
  • 韓国で納めた税を海外で調整できる制度があるか

という順番です。

国際相続では、同じ「相続税」という言葉でも、国によって課税方法が違います。

だからこそ、韓国側と居住国側を別々に確認したうえで、最後に全体をつなげて見る必要があります。


韓国のマンションや預金はどう受け取る?

相続税の申告が終われば、自動的にすべての財産が手元へ移るわけではありません。

韓国の不動産を相続する場合は、所有権の名義変更が必要になります。

銀行預金を受け取る場合も、銀行が求める相続関係書類や本人確認書類を準備しなければなりません。

海外に住む相続人の場合、書類の取得、翻訳、認証、代理手続きなどに時間がかかることがあります。

特に確認されやすいのは、

  • 家族関係を証明する書類
  • 亡くなった方の財産資料
  • 相続人のパスポートなどの本人確認資料
  • 不動産登記に必要な書類
  • 銀行が定める相続手続書類

などです。

さらに、相続した預金や不動産売却代金を海外へ送る場合は、銀行で資金の出所や税務処理を確認されることがあります。

つまり、相続は「受け取る権利」の問題だけではありません。

税務、登記、銀行、海外送金を一つの流れとして見ることが大切です。


用語をやさしく整理すると

相続税および贈与税法

韓国で相続や贈与に対する税金の基本ルールを定めた法律です。

税務上の居住者

税金を判断するうえで、韓国を生活の本拠としていると扱われる人です。国籍だけで決まるものではありません。

税務上の非居住者

税務上、生活の本拠が韓国外にあると扱われる人です。韓国人であっても非居住者になる場合があります。

二重課税

同じ相続について、韓国と海外の両方で税負担が発生する状態です。調整制度の有無は国ごとに異なります。


専門家に相談する前に確認したい質問

  • 亡くなった方は、韓国の税務上、居住者と非居住者のどちらに該当しますか。
  • 韓国の相続税の対象になる財産はどれですか。
  • 私たちのケースでは、どの相続税申告期限が適用されますか。
  • 韓国と現在の居住国の両方で税金が発生する可能性はありますか。
  • 韓国の不動産や預金を相続するために、どの書類が必要ですか。
  • 相続した預金や不動産売却代金を海外へ送る際、どのような銀行手続きが必要ですか。

この仕組みを理解しておくだけでも、韓国の国税庁、銀行、税理士、相続手続きの専門家と、より具体的な相談を始めることができます。


Fact-Check Materials Used

  • 韓国「相続税および贈与税法」
  • 韓国国税庁の相続税案内
  • 大韓民国生活法令情報
  • 国境をまたぐ相続に関する公的案内

Official Sources

  • 韓国国税庁(NTS:National Tax Service/韓国の国税行政を担当する機関)
  • 国家法令情報センター
  • 大韓民国生活法令情報

Disclaimer

本記事は、韓国政府機関が公開している法令および行政案内をもとにした事前理解ガイドです。

法律、税務、投資、相続手続きに関する個別の助言ではありません。亡くなった方や相続人の居住地、財産の種類、家族関係、関係国の税制によって結論は異なります。具体的な判断を行う前に、韓国および居住国の関係機関または専門家へご確認ください。


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