[JP] 【国際家族のための韓国相続・贈与税ガイド】日本と韓国に資産がある場合、最初に確認するべきことは何か

韓国と日本にまたがる相続税と贈与税の構造を確認する国際家族
日本と韓国に資産を保有する国際家族が相続・贈与計画について専門家と相談する様子


父は韓国に住んでいる。

子どもは日本に住んでいる。

ソウルに不動産がある。

東京に預金がある。

もし明日、相続が発生したら、どこの国の税金が関係するのでしょうか。

国際家族の相続や贈与で最初に確認するべきなのは、税率ではありません。

節税テクニックでもありません。

まず確認するべきなのは、

「誰が税法上の居住者なのか」

という点です。

韓国の相続税・贈与税は、国籍よりも居住者・非居住者の判定によって課税範囲が大きく変わります。

今回は韓国国税庁と相続税及び贈与税法をもとに、その基本構造を整理してみましょう。


Official Guidance

【相続税及び贈与税法 第2条】

韓国の相続税では、被相続人(亡くなった人)が居住者である場合、国内外のすべての相続財産が課税対象となります。

一方、被相続人が非居住者である場合は、韓国内に所在する財産が課税対象となります。

(出典:韓国 相続税及び贈与税法)


Executive Commentary

多くの人は、

「相続人がどこに住んでいるか」

を気にします。

しかし相続税の場合、最初に重要なのは相続人ではありません。

亡くなった人です。

例えば、

親は韓国在住。

子どもは日本在住。

このケースでは、まず親が韓国税法上の居住者なのか非居住者なのかを確認する必要があります。

ここを間違えると、その後の税務判断も大きく変わります。


Official Guidance

韓国税法上の居住者は、韓国内に住所を有する者、または183日以上居所を有する者など、生活関係全体を基準として判定されます。

(出典:所得税法、国税庁解説資料)


Executive Commentary

ここでよく誤解されることがあります。

例えば、

「昔の韓国銀行口座が残っている」

「韓国に知人がいる」

「昔ソウルに留学していた」

それだけで居住者になるわけではありません。

実際には、

  • どこで生活しているか
  • 家族はどこにいるか
  • 主な収入源はどこか
  • どこで長期間滞在しているか

などを総合的に見て判断されます。

ただし、専門家が国際相続を検討する際には、

「昔作ったまま残っている韓国口座はありませんか」

という確認をすることがあります。

多くの家族が、その存在を完全に忘れているからです。

口座一つで居住者判定になるわけではありませんが、過去の生活関係を確認する材料の一つにはなります。


Official Guidance

【相続税及び贈与税法 第4条等】

贈与税では、受贈者(財産を受け取る人)が居住者である場合、国外財産を含む贈与財産が課税対象となります。

非居住者の場合は課税範囲が異なります。

(出典:韓国 相続税及び贈与税法)


Executive Commentary

相続税と贈与税は似ているようで、見ている人が違います。

相続税は、

亡くなった人を中心に考えます。

一方、

贈与税は、

財産を受け取る人を中心に考えます。

例えば、

日本に住む子どもへ財産を移したい場合、

親の状況だけでなく、

子どもの税法上のステータスも確認する必要があります。

そのため国際家族では、

「親だけ」

あるいは

「子どもだけ」

を見ても全体像は分かりません。

家族全体の構造を見る必要があります。


Official Guidance

韓国の相続税には配偶者控除、一括控除などの制度があり、居住者・非居住者によって適用範囲が異なる場合があります。

(出典:韓国 相続税及び贈与税法)


Executive Commentary

ここも重要なポイントです。

よく、

「非居住者になれば有利」

あるいは

「非居住者なら税金がなくなる」

と考える人がいます。

実際はそう単純ではありません。

課税対象の範囲が変わる一方で、

利用できる控除制度の範囲も変わる場合があります。

だから国際相続では、

税率だけを見るのではなく、

課税対象と控除制度をセットで考える必要があります。


用語説明

被相続人

亡くなり、財産を残す人。

相続人

財産を受け取る人。

贈与

生前に財産を移転すること。

居住者

韓国税法上、生活の本拠が韓国内にあると判断される人。

非居住者

韓国税法上、居住者に該当しない人。


最後に

国際家族の相続や贈与で最も大切なのは、

「どこの国籍か」

ではありません。

まず、

  • 誰が居住者なのか
  • 財産がどこにあるのか
  • 誰が受け取るのか

を整理することです。

実際の税額計算や条約適用は専門家の領域ですが、

この基本構造を理解しているだけでも、税理士や弁護士との相談内容は大きく変わります。

国際相続で最初に確認するべきことは、

税率ではなく、

家族と資産の現在地なのです。


【基準日】

2026年6月15日

【公式出典】

  • 韓国国税庁(National Tax Service)
  • 韓国 相続税及び贈与税法(Inheritance and Gift Tax Act)
  • 韓国 所得税法(Income Tax Act)
  • 韓国 国家法令情報センター(Korean Law Information Center)

※ 本記事は公開法令および行政資料を基にした制度理解のための情報ガイドです。個別の税務・相続・贈与判断을 위한 자문이 아닙니다.


➡ Next : 

⬅ Previous : 【なぜ今、韓国なのか?】


댓글

이 블로그의 인기 게시물

[EN] Singapore CPF Withdrawal for Foreigners: Refund & Exemption Guide

[CN] 当全球金融越来越透明之后,一部分跨境家庭开始重新研究“可解释资产”

[EN] The Compliance Shift: Why International Families Are Paying Closer Attention to Documented Capital Structures